機械式時計にクロノグラフ機能は必要か

革靴・時計・スーツ

機械式腕時計好きであれば複数の時計コレクションを保有し、ビジネスやカジュアルシーンに合わせ、ドレスウォッチやスポーツウォッチ(ダイバーズ・パイロット等々)を使い分けることがあります。このコレクションの中に、ストップウォッチ機能を有する「クロノグラフ」を含めている方も多いかと思います。

私も腕時計好きの端くれとしてクロノグラフを一本だけ保有していますが、ふと最近、クロノグラフ機能付きの時計が必要なのか疑問を持つことがあったので、そのメリット・デメリットについて整理しました。

クロノグラフを持つメリット

所有欲を満たすカッコ良さ

クロノグラフにはロレックス:デイトナ、オメガ:スピードマスター、ブライトリング:ナビタイマーなど名作が多いです。腕時計好きであるとコレクションの一つにクロノグラフを加えたい欲求を捨てることが難しく感じるほど、独特の魅力/デザイン性があります。クロノグラフに限らないことではありますが、意味もなくクロノグラフの複雑機構を動かし、それを眺めるだけで楽しく感じる、それがクロノグラフです。

クロノグラフを持つデメリット

クロノグラフ機能を使う機会が少ない(ほぼ使わない)

クロノグラフ機能は、腕時計を購入して間もなく興奮冷めやらぬ時期しか使いません。その後も思い出したかのようにクロノグラフ機能を使い、ふとメカニカル的な面白さに魅了されることがある一方、時間を計測したい場合は、正確さ・使いやすさを兼ね備えたスマホにほぼ100%依存します。スマホの電源が切れている場合を除き、機械式時計のクロノグラフ機能を使うイメージがわきません。(宝の持ち腐れですね…)

重い+サイズが大きい

クロノグラフ機能が付属すると部品数UP⇒重量増加につながるため、腕にズッシリとした重みを感じます。また、どうしても腕時計自体のサイズも大きくなりがちなため、デザインにもよりますが腕乗りが悪く感じる(安定しない)、当たり所が悪くて手首付近が痛くなる可能性もあります。クロノグラフを装着する場合には多少の違和感を覚えるかもしれません。

時間が確認しづらい

クロノグラフ機能が文字盤に組み込まれると、途端に視認性が低下します。計器機能が時計へ追加されることにより見た目が複雑化するため、咄嗟に時間を確認することが難しくなります。仮に視認性とクロノグラフ機能を両立させたい場合は、視認性向上のために工夫が凝らされているパイロットウォッチ(パイロットクロノ)を選ぶと良いです。

維持費がかかる(オーバーホール費用が高い)

クロノグラフ機能があるとオーバーホール費用が高くなります。3針の機械式時計に比べておおよそ1.5万円程度余分な出費を要し、仮に5年周期でオーバーホールするとなると、30年で「9万円程度」余計に維持費がかかります。愛着があると気にならない額ですが、何となくクロノグラフを保有している場合は地味にストレスを感じる原因になると思います。

使えるシーンが限定的

クロノグラフは個性的なデザインが多いため、ビジネスシーンには向かない印象です。以前、実演する系統の営業の方がタグホイヤー・カレラのクロノグラフ(ケース径:40数mm)を着けていたことがありましたが、作業や所作よりもクロノグラフにばかり目が行き、説明の中身が全く頭に入ってこなかったことがありました。(私が時計好きなだけかもしれませんが…)

ビジネスでは「見た目」よりも「仕事内容」で目立つべきと思うため、クロノグラフはカジュアルシーンで着ける方が好ましいと考えます。

まとめ:なんだかんだ言いつつも、コレクションの一つにクロノグラフを加えたい

スマホが普及したことで、腕時計のクロノグラフ機能が使われる機会は大きく減りました。しかしながら、このような世の中でもクロノグラフに絶大な支持が集まるのは、クロノグラフにしかない魅力・デザイン性などがあるからだと思います。本文では重いだの維持費がかかるだのと論じてきましたが、私はこれからもクロノグラフをしっかりオーバーホールし、大事に保有し続けます。